関連作品・宇宙大作戦(スタートレック)・...

関連作品

 ・宇宙大作戦(スタートレック)
 ・宇宙戦艦ヤマト(ワープ航法)
 ・宇宙の騎士テッカマン(リープ航法)
 ・伝説巨神イデオン(DS(デス)ドライブ)
 ・トップをねらえ!(次元波動超弦励起縮退半径跳躍重力波超光速航法)
 ・To LOVEる -とらぶる-(ぴょんぴょんワープくん)
 ・マクロスシリーズ(フォールド航法)
 ・機動戦艦ナデシコ(ボソンジャンプ)
 ・コスモス・エンド(パルスワープ)
 ・ロスト・ユニバース(フェイズ・ドライブ)
 ・スカーレット・ウィザード(門<ゲート>、ショウ機関(ドライブ))
 ・勇者王ガオガイガー(ESウインドウ、ギャレオリア彗星)
 ・真ゲッターロボ 世界最後の日(ゲッター線を収束させることによるワームホール)

ワームホール型ワープ

単純に、ブラックホールからホワイトホールへと空間跳躍する航法である。ブラックホールに突入し、ワームホールを介しホワイトホールから出るという物である。

なお、類似のシステムとして、『スタートレック』シリーズでサイボーグ生命体ボーグが用いているトランスワープチューブ(transwarp conduit)というものもある。

トランスワープとは同シリーズにおける従来のワープの限界を超えるハイスピードワープの総称である。warp9とwarp10(無限速)との間には加速を続けると必要エネルギーが指数関数的に無限に増大するという性質があり、それがこのシリーズにおけるワープシステムの一つの限界となっている。

トランスワープチューブは、安定的な人工ワームホール(厳密には亜空間トンネル・並行宇宙に作られたトンネル)を設置することによって、同シリーズの標準ワープシステムが出せるワープ速度限界をはるかに超えるワープスピードを容易に達成するものである。

エネルギーの問題




PfenningとFordは量子力学的な制限を考慮に入れつつ上記のエネルギーの数値計算を行った。Pfenning達はまず「弱いエネルギー条件の破れが大きい(大きな負のエネルギーが発生する)ほど、観測者がそれを観測する時間(sampling time)が短くなる」というQuantum Inequality(QI) と呼ばれる条件(つまり一種の不確定性原理)からワープバブルの厚み \Delta\, はきわめて薄くなるだろうと考察し、 f(r_(t))\, を次のように近似した。

)=
\begin
1, & r_,\\
,\\
0, & r_,
\end

この近似、およびsampling time中はワープバブルの移動速度を等速度 v_\, とみなす近似を用いると、リーマンの曲率テンソルとsampling time の間の関係からsampling time : t_0\, は以下のように求まる。



ここで \alpha\,t_0\, の小ささを記述するための係数である。これをQI条件に用い、いくらかの近似を行うことでワープバブルの厚み \Delta\, の上限が以下のように求まる。



ここで、たとえば \alpha=1/10\, とすればプランク長を L_\, として次のようになる。



すなわち、ワープバブルの壁はきわめて薄くなければならないと予想される。厚みに関する条件がわかったので、この条件を用いて f_t\, として t=0\, の場合を考えることで一般性を保持したまま単純化され、以下のようになる。


E & = \int dx^3 \sqrt \rangle, \\
& = - \right)^2 dr, \\
& = - \right).
\end

なお、 r_|\, である。ここにバブルの厚みの条件を与え、また実用的なワープバブルとして R=100\ m\, と仮定することにより、具体的なエネルギーは以下のようになる。



我々の住む天の川銀河の質量 M_\, を典型的な銀河の質量とみなすと、このエネルギーは



と記述され、 v_ \,倍を要すると結論付けられる。一般相対性理論的に考えて現在の宇宙でビッグバンのような過激な時空変化を生じさせたければビッグバンを遥かに超えるエネルギーが必要と言う結果である。
Pfenning達はこの計算を行った締めくくりに、もし何らかの方法でQI条件を回避しバブルの厚みを1メートルにまでできるなら太陽質量の4分の1のエネルギーで、またワープバブルの半径を原子より小さいスケール、たとえば電子1個のコンプトン波長にまで縮小すれば太陽質量の400倍程度にまで削減することが可能であろうと述べている。物理の基本法則を打ち破るかあまりに非実用的な大きさにするかしなければ実現できない(つまり不可能)というわけだ。


そこで、バブルのスケールを小さくすることに着目して必要エネルギーの削減を考案したのがChris Van Den Broeckである。彼はAlcubierreの考案した計量に以下のようなわずかな修正を加えたChris Van Den Broeck, "A `warp drive' with more reasonable total energy requirements" Class.Quant.Grav.



ここで B(r_)\, は二次微分可能な任意の関数であり、次のような条件付けが為されている。


\qquad B(r_,\\
1 \qquad B(r_.
\end

ここでの \alpha\, は非常に大きな定数であり、 \tilde\, を満たす領域では、これまでの議論通りのAlcubierreのワープバブル


f(r_ 0 f(r_,
\end

が形成されている。ただし今回のワープバブルでは R\, の設定がPfenning達が仮定した近似と多少異なるので注意が必要である。 B(r_)\, という補正を加えた目的は、それが形成するバブルの内側の体積を大きく膨張させることにある。イメージとしては四次元ポケットを思い浮かべると非常に分かりやすいであろう。Alcubierreのワープバブルはその内側にいかなるものがあろうとも、バブルを形成する時空の歪みに大きく干渉しない限り時空ごと切り取ってスライドさせてしまうので、このようなことも可能なのである。ここで、Phenning達が計算した厚み \Delta\, の条件の下で、同様のエネルギー計算を内と外それぞれのバブルについて行う。まず、上記の条件を満たす B\, を以下のように設定する。



今回の仮定では n=80\, と設定する。また、そのほかの数値は次のように設定する。


\alpha & = & 10^,\\
\tilde \ m,\\
\tilde \ m,\\
R & = & 3 \times 10^ \ m.
\end

この R\, はおおよそ電子の古典半径ほどの大きさである。また、このような値を設定すると内側のバブル内の体積は半径 100\ m\, まで膨張する。このとき、外側のバブルのエネルギーの表式はPfenning達の計算過程とまったく同じように導出され、数値を代入すると以下のようになる。



また、内側のバブルのエネルギーは w\, の値によってその符号を変える。今回の設定では w>0.981\, の領域、すなわちバブルの壁の内側に近い部分が正のエネルギーを持ち、それより外側の 0 \leq w \leq 0.981\, の領域において負のエネルギーを持つ。それらのエネルギーはそれぞれ以下のようになる。


E_,\\
E_.
\end

したがって、これらの総エネルギーはバブルが光速度で移動しているとしても高々太陽質量の数倍程度に抑えられる。また、これらの設定はQI条件も満たしており、計算上はまだワープバブルが実現できる可能性が残ったと言えたわけである。ただし、大きな空間の外側を絞って見かけの大きさを縮めたわけではなく極微な空間の内側を大きく広げたため、その中に入る方法は考慮されていないし、Van Den Broeckも論文内で言及しているが、これらの莫大なエネルギーをエネルギー密度として空間上に配置せねばならず、負のエネルギーの実用化が可能になったとしても果たしてそのような莫大なエネルギーの生成、集中が可能なのかと言うことには疑問が多く残っている。そしてそもそも、負のエネルギー自体がカシミール効果やダークエネルギーという形でしか物理学の領域に登場してこず、現在の見通しとして具体的に取り出すことが不可能であろうと予想されるエネルギーなのである。