派生的用途コンパクトディスクやMD対応デ...

TYPE IV/メタル

 ・TDK
  ・MA、MA-R、MA-X、MA-XG、CDing-IV、Super CDing-IV、DJ Metal、CDing-Metal、MA-EX
 ・maxell
  ・MX、Metal-Capsule、Metal-GPX、Metal-Vertex、METAL-XS、METAL-UD、Metal-CD's、Metal-Po'z
 ・SONY
  ・METALLIC、Metal-ES、Metal-S、Metal-Master、Metal-XR、ES-IV、X-IV、CDixIV、SuperMetalMaster、Metal-XRS、ES Metal
 ・Fuji・AXIA
  ・Super-Range、SR、FR-METAL、XD-Master、PS-IVx、Metal slim、AU-IVx、K-METAL、PS-METAL、J'z-METAL
 ・DENON
  ・DXM、MD、CD-JackIV、MG-X、GR-IV
 ・That's
  ・MG、MR、MR-X、EVE IV、MR-XP、CD-IV、SUONO、CD-IV S、PH IV、CD/IV F、OW-4
 ・Victor
  ・ME、ME-PRO、ME-ProII、ME-NewPro、XF IV
 ・Magnax・Konica
  ・Metal、MM
 ・Technics・National・Panasonic
  ・Compos、MX、EM、Angrom MX-DU、Angrom MA-DU
 ・Lo-D・Hitachi
  ・ME、MT
 ・3M・Scotch
  ・Metafine
 ・BASF
  ・Metal、ProIV

磁性体の種類

主な磁性体の材料としては、まずType I には当初から存在し現在でも廉価タイプに用いられるγ酸化鉄(γ-ヘマタイト、マグヘマイト γFe2O3)、主に高級タイプに用いられた、Type III に倣った発想で、特性の異なるγ酸化鉄を二層塗布したもの(富士写真フイルム/Fx-Duo、日本コロムビア=DENON/初期DX3・DX4)、例は少ないが四酸化鉄(マグネタイト Fe3O4)のもの (TDK/ED)、そして1980年代に入って開発された、γ酸化鉄の生成時の内部空孔(ポア)をほぼ無くして磁気効率を改良した無空孔(ノンポア/ポアレス)酸化鉄(TDK/初期AR、日立マクセル=maxell/初期UDI)及びそれのコバルト被着タイプ(前掲機種の後期型)がある。

後にType IIの主流になったものの、最初はType Iの高性能タイプ用に用いられたものに、コバルトドープ酸化鉄 (Scotch/HighEnergy) やコバルト被着酸化鉄 (maxell/UD-XL) がある。特にコバルト被着酸化鉄はその調整の容易さと高域特性改善の面からTypeIでも並行して用いられ、1970年代後期から高級タイプ (TDK/AD-X,maxell/XLI-S) の、1980年代中期以降は普及タイプ(富士写真フイルム=AXIA/PS-I、太陽誘電=That's/RX)にも多用された。

Type II用としては、最初期こそ代名詞ともなった二酸化クロム (CrO2) /(デュポンが発明)が主流だったが、日本国内でめっき工場の廃液などの公害問題(六価クロム廃液)の余波で次第にフェードアウトし、パテントのライセンス問題もあったので、一部で用いられたコバルトドープ酸化鉄(Scotch/Master70、DENON/初期DX7)等を経て、現在では殆どがコバルト被着酸化鉄磁性体(CoFe2O4。酸化鉄の表層にコバルトフェライトが結晶成長したもの)となっている (TDK/SA、maxell/XL II)。これはコバルトフェライトの被着量をコントロールし易い、即ち磁気特性の調整が容易な点が大きく、家庭用ビデオカセットやフロッピーディスク等、幅広く使用された。'80年代終期、この酸化鉄の代わりに前述のマグネタイトを核に用いたものもあり、日立マクセル、日本コロムビア等が採用した(maxell/最終XL II-S、後期UD II)。

※マグネタイトにコバルトを被着したテープはビデオテープの方が先行しており、3M、マクセル、ビクター、コニカ、パナソニック等多くのメーカーが採用していた。マクセルの"ブラック・マグネタイト"の名称等が知られている。VHSテープの場合はテープの磁気特性重視ではなく、おもにコストダウンのために採用された経緯がある。VHSテープではエンドサーチに赤外線センサーを用いており、透明なリーダーテープがセンサーを通過したときストップをする機構であった。ところが高性能化、すなわち微粒子化に伴い、赤外領域では光透過率が規格を満たさないようになったため核晶が黒色のマグネタイトの磁性粉を採用するに至った。核晶がγ-ヘマタイトより磁気特性が良いのでテープの磁性層も薄くできるのでコストダウンが可能となった。ちなみに初期のVHSテープはT-120換算で磁性粉の使用量は約40g、核晶がマグネタイトの磁性粉を使用して設計した場合、約20gに可能になった。また、磁性層のカーボンを低減して磁性粉の密度を上げることも可能になった影響も大きい。

Type IVとしてはいわゆるメタル(主成分はα-Feとコバルトなどの合金)であるが、これも酸化に弱いという欠点を克服すべく、各社工夫していた。表面にマグネタイトを形成する方法が一般的だがまったく充分ではない。還元時の焼結防止も兼ねてシリカ、酸化アルミニウムなどを析出、被覆し酸化防止をしている。
このメタル磁性体も、1980年代初期よりイコライザーが同じTypeIIへの転用が図られ、極めて高出力な特性を買われて主に高級タイプ (TDK/HX,DENON/DX8) に用いられたが、中には低価格タイプ (That's/EM) も存在する。このメタルパウダーの成分はNiを合金としており、ハイポジションの保磁力に近づけるように設計をしていた。これは言い方を変えればメタル磁性粉をパーマロイ化して保磁力を下げたといってよい。俗にLow Hcメタルとも呼ばれ、ハイポジションの欠点であった低音域のパワー不足を大幅に向上させた。

Type IIIは基本的に下層に中低域用のγ-ヘマタイト、上層に高域用の二酸化クロムを塗布するが、他にも上層をコバルト被着酸化鉄にしたり (DENON/DX5)、特性の異なるコバルト被着酸化鉄の二層塗布とするものも存在した。

そのType IIIがほぼ死滅した1980年代中期、松下電器が「オングローム」ブランドで投入した蒸着テープが存在した。通常の塗布層の上に更に金属コバルトを蒸着させるという、発想自体は極めてTypeIII的な製品だった(ポジションは当初Type II、後Type I・IVを追加)。TypeIIIと異なる点は、低域 - 中高域のテープ特性の大部分は下の塗布層に由来しており、上の蒸着層は超高域(スピーカーで言うスーパーツィーター)のみを担当する。そのために高域特性を大幅に改善したものの、塗布層自体の性能が他社の同価格帯と比較して見劣りしていたこと、その強力な高域特性のためデッキによって相性の相違が激しく、また製造コストの高騰から来る価格設定の高さもあり、短命に終わった。この技術は、蒸着層の超高域信号(ビデオの映像信号)への対応能力を買われて、後にビデオカメラ用テープの技術として開花することとなる(Hi8のMEタイプ、現在のDVC)。

クロームテープ、メタルテープにはカセットハーフの上部にテープポジション検出孔(画像参照、クロームは誤消去防止ツメの隣り、メタルは中央部)が設けられ、これによりデッキはバイアス、イコライザなどを自動設定する。ただし最初期のメタルには中央の検出孔が存在しない製品もある。

また、Type IIIにはもともと検出孔は無く、この2者は基本的に手動の対応ポジションセレクターを持つデッキで使用するのが前提(フェリクロム策定元のソニーが当初IECにハーフ中央部をType III用の検出孔として申請していたものの認可されなかったという噂がよく聞かれるが、虚実は不明)。ただ、Type IIIは磁気特性がType Iに近い(バイアスが+10%)ため、うまく調整すれば高性能ノーマルとしての使用も可能であるむねメーカーも謳っていた(個別設定できるデッキではバイアスをノーマル・イコライザーをクロームに設定する事を推奨した例があった)。ただしこの場合、補正カーブが異なるために音質のバランスが変わってしまう可能性が高い。

国内系

 ・富士フイルム (AXIA) : TDK、日立マクセル、ソニー、コロムビアと並ぶ老舗。磁性粉はコバルト被着タイプの"ベリドックス"が有名。元々は社名の"FUJI"ブランドだったが、1985年"AXIA"ブランドに変更。同時に、写真フィルムの技術を改良し、二層ダイ方式を磁気テープに採用。一度の塗装工程で二層塗りテープの製造を可能とした(後の磁気ディスク関連技術ATOMの源流)。従来技術の二層テープは、下層を一旦乾燥後カレンダーをかけたのちに再び上層を塗るという2度手間をしていた(DUADなど)。この二層ダイ方式の技術をもつテープメーカーは他にコニカしかなかった。現在はデーターストレージ関係のテープを中心に製造しており、その技術は高く評価されていた。データーストレージテープはメタルテープであるが、バリウムフェライトを採用したテープを発表している(2006年5月のニュースリリース)。"FUJI"ブランドだった頃は、"フジカセット"と呼ばれていた。2006年12月に日本国内における店頭販売は終了、以後在庫のみとなる(一部メディア製品の国内販売終了のご案内)。
 ・コニカ (Magnax/Konica) : かつて米Ampexと設立した小西六アンペックスから自社ブランドを展開し、発売。末期は、中国製や韓国製のOEM製品を出していた。磁気テープ部門はのちにTDKへ売却。現・コニカミノルタ。
 ・日本コロムビア (Columbia/DENON) : 以前は栃木県の子会社で製造。現在は"DENON"ブランドは分離、日本マランツと合併し"D&M"へ。"D&M"となってからの読みは"デノン"。2009年頃まではツタヤ系列店でDENONブランドのCD-RやMD、カセットテープが流通していた(販売はヴァーテックス)。現・コロムビアミュージックエンタテインメント。
 ・太陽誘電 (That's) : 元々は磁性部品メーカー。本業を生かして、他社に先駆けてメタルテープやメタル磁性体のハイポジション用テープを低価格で発売、一方でジョルジェット・ジウジアーロにハーフデザインを依頼したりと、先鋭的なメーカーだった。後にCD-Rを開発し世界で初めて製品化。
 ・日本ビクター: 大手音響メーカー。日本国内で最初のメタル対応カセットデッキを発売。かつては、自社オリジナル製品を出していた。
  エコーソニック (CVS) : 国内最多グレード(ノーマル 3、クロム 1、メタル 1)を誇った多彩なリール型カセットを中心に展開。・エコーソニック (CVS) : 国内最多グレード(ノーマル3、クロム1、メタル1)を誇った多彩なリール型カセットを中心に展開。
 ・ビデオエイコー (EICO) : 突如として発売したリール型のメタル磁性体ハイポジ・EXと阪神タイガース柄のノーマルテープのみが確認されている。
 ・三洋電機 (SANYO) : かつては"OTTO"というオーディオブランドを展開。1980年代以降は"おしゃれなテレコU4"に代表されるカジュアル製品で知られる。低価格ファッションタイプを中心に展開。
 ・ティアック: 業務用を含むテープデッキ・光学ドライブで知られる音響メーカー。機構部は自社製だがテープはマクセル製のリール部交換式カセット"オー・カセ"を代表とするリール型を中心に展開。
 ・日立家電 (Hitachi/Lo-D) : マクセルのOEM。1980年代後期から1990年代初期には独自タイプのハーフもあった。"Lo-D"は同社のオーディオブランド。現・日立アプライアンス
 ・シャープ: マクセルのOEM。かつては"Optonica"というオーディオブランドを展開していた。
 ・カシオ計算機: マクセルのOEM。現在でもカジュアルユースのラジカセ、ポータブル機器を発売している。
 ・シチズン: 太陽誘電のOEM。かつてはポータブルプレイヤー等を販売していた。
 ・東芝 (Aurex/BomBeat/Toshiba) : 主にTDKのOEM。"Aurex"は同社オーディオの、"BomBeat"はラジカセのブランド。現在はともに撤退。
 ・ナカミチ: TDKのOEMだが選別品のため稀少。世界初の3ヘッドデッキを発売した高級カセットデッキメーカーだったが2002年に倒産、現在は香港資本傘下。
 ・トリオ/ケンウッド: TDKのOEM。本来は通信機器メーカーで、かつてはFM/AMチューナーで有名。現在も高品質のコンポやカーオーディオを中心に展開。
 ・ヤマハ: TDKのOEM。日本屈指の楽器メーカーでもあり、その技術を応用したオーディオでも知られる。
 ・ラックスマン: TDKのOEM。高級アンプで有名だが、一時期は高級カセットデッキも発売していた。
 ・赤井電機 (Akai/A&D) : コロムビアのOEM。三菱電機との合弁で A&D ブランドを設立したが後に解消、その後倒産。Akaiブランドは香港資本傘下で名前のみ存続。
 ・三菱電機 (Diatone) : コロムビアのOEM。かつては高級スピーカー等で知られたが、現在、AV機器生産からは撤退。系列会社の三菱電機エンジニアリングが受注生産限定で再参入。
 ・パイオニア: 富士フイルムのOEM。1970年代には米Memorex製品を輸入していた。
 ・アイワ: ソニーのOEM。自社で発売していたマイクロカセットレコーダーに付属のテープもソニーからのOEMであった。日本で初めてカセットレコーダーを発売した音響メーカー。後ソニー傘下となったが現在は解散。
 ・朝日コーポレーション (Fairmate) : 韓SKCのOEM。1980年代に普及価格帯のゼネラルオーディオを発売(現在は撤退)。