純度金の純度は、24分率で表される。その...

金鉱床


銅や亜鉛などは、酸化物および硫化物といった形で化合物として産出されることが多いが、金は主に自然金(しぜんきん、native gold、金の単体)として得られることがほとんどである。また金は、火成岩中にも極微量に含まれる。ただし、採算が取れるほど固まって産出されるのはまれであるため、銅や鉛などの精製過程における副産物として通常は得られる。金鉱山として金を産出する場合は、金の鉱脈、あるいは鉱染を受けた岩体に沿って掘っていく。そのほかに、金を含む鉱石が風化した、砂状のものをパンニング皿(側面に一定間隔で凹凸の刻みが入れてある皿)などの道具によってより分ける砂金掘りの方法もある。

通常、金は石英、炭酸塩、まれに硫化物の鉱脈(ベイン)の中に存在する。硫化物では黄鉄鉱、黄銅鉱、方鉛鉱、閃亜鉛鉱、硫砒鉄鉱、輝安鉱、磁硫鉄鉱などの鉱床に含まれていることが多い。非常に稀であるがペッツ鉱、カラベライト、シルバニア鉱、ムスマン鉱、ナギヤグ鉱、クレンネル鉱などの鉱脈に含まれていることもある。また、間隙の多い岩体を金を含む熱水が通過した場合は鉱染状に金が産出する。これは鉱石単位量当たりの金含有量は少ないものの、総量が多くなることがある。


金は地球全体の地殻内に広く分布して存在しており、存在比は0.003g/1000kg程度 (0.003ppm) である。熱水鉱床は変成岩と火成岩のなかに生成する。

金鉱床は銀、銅や水銀、硫化鉄、テルルなどのレアメタル、砒素を同時に産出することが多い。銀やレアメタルは鉱山の収益を補えるが、現在殆ど使用用途のない水銀や砒素は公害の原因になり、逆に収益に影響を及ぼすことがある。

鉱床は風化や浸食されていることもあり、その場合、金は砂金として小河などに流されるが比重が大きいために沈殿しやすく、重い鉱物の漂砂鉱床や砂鉱床に集まっている。もう一つ重要な鉱床は堆積頁岩または石灰岩の鉱脈で、これはまばらに単体の金がプラチナなどの金属とともに散在する形で存在する。

また、海水中にも金は含まれており、その割合は1000kgあたり0.1から2μg (1×10?4 - 2×10?3ppb) 程度である。

装飾品としての用途

金属塊として指輪やブローチなど、線状にした金は刺繍に用いられる。金箔としての利用も見られる。金箔は飲料や料理の食材としても用いられる。金は味や栄養に影響しないが、主に華やかに見えるという点から、祝典での料理や酒類に加えられている。金粉を食品に塗したり、薄片を酒に混ぜるなど。金は通常錆びることがなく、アレルギーの発現率も極めて小さいことから、アクセサリーとして手入れしやすく安心して身につけられることも人気の理由となっている。

金はやわらかい物質であるため、純度100%では装飾品として機能しづらい。そこでほとんどの場合、別の金属との合金によって装飾品を作る(純度に関しては当該項目を参照)。装飾品では18Kや14Kが一般的である。混ぜる金属の種類や配合率によって色が変わる。一般的なものは次の5つである。実際の色については外部リンク(色見本)を参照されたい。
<イエローゴールド>
  K18の場合、金75%、残りを銀銅等量のものをイエローゴールドと称している。しかし、銀15%、銅10%から銀10%、銅15%の範囲も、ほぼイエローゴールドの範疇と言える。一般的に認知されている金色に近い。
<グリーンゴールド>
  K18の場合、金75%で残りが銀の合金をグリーンゴールド称している。日本語では青割り、又は青金という。ISO8654の金の色と名称の範囲で、グリーンゴールドの成分比率と色名を定めている。
<ピンクゴールド>
  18Kの場合、金75%、残の80%程度の銅の合金を一般的に、ピンクゴールドと称している。パラジウムを加えることがある。
<レッドゴールド>
  K18の場合、金75%で残りが銅の合金をレッドゴールドと称している。グリーンゴールド同様、ISOで成分比率と色名を指定している。日本語では赤割り、又は赤金と言う。
<ホワイトゴールド>
  ニッケル系とパラジウム系があり、金にそれぞれの元素と、前者は、銅、亜鉛、後者は銀、銅を加えて、白色化した金合金をホワイトゴールドと称している。K18の場合、ニッケル系、パラジウム系ともそれぞれ5%以上を含まないと、色調が白味が不足する。社団法人日本ジュエリー協会は色差でホワイトゴールドの色の範囲を指定している。以前はプラチナの代用品として装飾品に用いられたが、現在はカラーゴールドの一種としての地位を得て、イエローゴールド以上に普及している。
このほか、K18ホワイトゴールドにプラチナを含ませ、黒っぽい外観を特徴とするブラックゴールドもある。

性質

金は単体では金色と呼ばれる光沢のある黄色い金属であるが、非常に細かい粒子状(コロイド)にすると黒やルビー色に見える場合があり、時には紫色になる。これらの色は金のプラズモン周波数によるもので、主に黄色と赤を反射し青を吸収する。このため、薄い金箔を光にかざすと、反射と吸収の谷間にあたる緑色に見える。

展性・延性に優れ、最も薄くのばすことができる金属であり、1グラムあれば数平方メートルまでのばすことができ、長さでは3000メートルまで伸ばすことができる。平面状に伸ばしたものを「金箔」(きんぱく)、糸状に伸ばしたものを「金糸」(きんし)と呼ぶ。豪華な衣装を作るために、金糸は綿や絹など一般的な繊維素材と併用される。

他の金属と溶け合いやすいため、混ぜて合金とすることが容易である。これにより他の金属の伸長性が増し、変化に富んだ色の金属を作ることができる。銅との合金は赤く、鉄は緑、アルミニウムは紫、白金は白、ビスマスと銀が混ざった物では黒味を帯びた色調になる。自然に存在する金には通常10%程度の銀が含まれており、20%を超える物はエレクトラム、青金または琥珀金と呼ばれる。さらに銀の量を増やして行くと色は次第に銀白色になり、比重はそれにつれて下がる。

金は熱伝導、電気伝導ともに優れた性質を持ち、空気では浸食されない。熱、湿気、酸素、その他ほとんどの化学的腐食に対して非常に強い。そのため、貨幣の材料や装飾品として古くから用いられてきた。ハロゲンは金と反応を起こし、王水やヨードチンキは金を溶かすことができる。
 Au + HNO3 + 4 HCl → H[AuCl4] + NO + 2 H2O

また強力な酸化作用を有する熱濃セレン酸水溶液にも溶解する。さらに酸素の存在下でシアン化物の水溶液に錯体を形成して溶解し、この反応は金鉱石から金を抽出するために応用されている。
 4 Au + 8 NaCN + O2 + 2 H2O → 4 Na[Au(CN)2] + 4 NaOH

金で安定な原子価は +1(金(I))、+3(金(III))であり、化合物あるいは水溶液中においてAu3+など単純な水和イオンは安定でなく、[Au(CN)2]?および[AuCl4]?など主に錯体として存在する。AuClなど1価の金化合物はシアノ錯体を除いて一般的に水溶液中で不安定であり不均化しやすい。
 3 AuCl + H2O → H[Au(OH)Cl3] + 2 Au

また金化合物は一般的に熱力学的に不安定であり、光の作用により分解し、単体の金を遊離しやすい。合金中において金はイオン化したとしても直ちに他の金属によって還元され、添加された金属は酸化される。