知的財産権
ファッション産業では、でのようには知的財産権は施行されていない。他の誰かのデザインから「インスパイヤされる」という営為は、ファッション産業が衣服の流行を作り出す能力に貢献している。新しい流行を作り出すことで消費者に衣服を買うよう誘い込むことはこの産業の成功の鍵となる要素である。流行を作り出すプロセスを妨げる知的財産権は、この観点からは、非生産的なものとなる。その一方で、新しいアイデアや、ユニークなデザインや、デザインのディテールなどを大きな企業があからさまに剽窃するのは、数多くの小規模な独立したデザイン会社を破綻させている原因であるともしばしば議論される。
2005年に世界知的所有権機関(WIPO)は協議会を開き、中小企業を保護し、織物・服飾産業内での競争を促進させるためファッション業界での知的財産権のより厳密な施行を求めた
[IPFrontline.com: Intellectual Property in Fashion Industry, WIPO press release, December 2, 2005][INSME: WIPO-Italy International Symposium, 30 November - 2 December 2005]。
ファッション用語
<オートクチュール>
フランス語で「特注の仕立て服」のこと。いわゆるオーダーメイドであるが、ファッション業界内では通常、「サンディカ」と呼ばれるパリの高級服専門の組合に所属している店の商品のことをいう。
また、パリとローマで1月と7月に開催されている「オートクチュール・コレクション」は、サンディカに所属するメンバーと、その他の少数のメゾンにしか発表が許されていないファッションショーである。
<プレタポルテ>
フランス語で「既製服」のこと。通常は一流のデザイナーがデザインを手掛け、仕立てた既製品にのみ当てはめられる言葉。
日本語で「コレクション」と呼ばれるファッションショーがあり、2月から4月、9月から12月までの間に、東京、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリの順で開催されている(東京コレクション、ニューヨーク・コレクション、ロンドン・コレクション、ミラノ・コレクション、パリ・コレクション)。
<メゾン>
フランス語で「家、建物」の意であるが、ファッション業界では会社、または店などの意味で使われる。特に「オートクチュールの店」のことを『メゾン・ド・クチュール(maison de couture)』という。
<リアルクローズ>
アート色の強い日常離れした服に対して、一般的に普段着として着られるような服。それまでデザイナーが作ってきた流行ではなく、人間が着ているだろう服を想定し、より消費者に近いファッションの発信をしようと90年代初頭に大きな動きとなった。2000年ごろからはファストファッションとも結びつき、「H&M」や「ZARA」などの世界的な衣料品チェーン企業が興り始めた。
<流行色>
一時的に流行し、多くの人がファッションの中に取り入れる色のこと。
狭義には、国際流行色委員会(インターカラー)や日本ファッション協会という団体が選定した色のことを指す。選定の1年後にファッション業界や出版社に流行色の情報が提供され、流行色を使った商品が生み出されていく。
<川上>
原材料である綿などから商品の材料となる生地や糸を製造する段階。素材メーカー、テキスタイルメーカー、織物・染色業者などがこの段階に入る。
<川中>
糸や生地から衣服を製品として製造するアパレルメーカーや、そのほか、服飾製品の製造業を指す。
<川下>
アパレルメーカーなどによって製造された製品を、商品として店頭に並べ販売する小売業を指す。
<古着>
一度商品として市場に出回り、買った人などがその所有権を放棄した服を、古着業者が回収して販売している物のこと。主に作られてから50年未満のものを指す。50年以上100年未満のものをヴィンテージと呼ぶ。
<アウトレット>
わずかに瑕疵がある品や余剰生産品などを、正規品よりも安い値段で売ること。そのような店で売られる品は「アウトレット品」、そのようなものを扱うモールは「アウトレットモール」と呼ばれる。
<トラッド>
トラディショナル(スタイル)の略で、米国系、ブリティッシュ系トラディショナルなどに、ときには日本独自のニュートラなども含めて呼ぶ総称。「伝統的・正統派」という意味があり、流行に左右されないテーラードスーツやトレンチコートなどのベーシックなデザイン、または用いられているウールやカシミアなどの素材を用いたものを指すことが多い。
<ファストファッション>
その時点でのファッショントレンドの内容をいち早く取り込みながらも、普通に着用できるリアルクローズとして低価格で提供する業態。2005年あたりから台頭した「H&M」や「ZARA」、「FOREVER21」などの世界的な規模(低価格・リアルクローズということで日本のユニクロと比較されるが、ユニクロよりも企業規模が大きい)の低価格衣料品チェーンを指して使われることが多い。さしずめ、ファストフードの衣料品版ともいえる。
<裏原宿 <!-- これだけ浮いてませんか? -->>
日本にあるファッション情報の発信地の一つ。東京都渋谷区神宮前周辺の俗称である。
藤原ヒロシが流行の仕掛け人として知られる。
洋服文化とファッション
File:Ed Hardy Runway Models.jpg|thumb|2008年、ロサンゼルスファッションウィークのランウェイショー
''西洋の衣服(洋服)の歴史については、洋服の歴史を参照''
頻繁に変化するファッションという西洋の現象は概して古代には見られなかったし、他の大文明でも数十年前まではあまり類を見ないものであった。ペルシア・トルコ・日本・中国などへ旅した初期の西洋人旅行家たちは現地のファッションの変化のなさをしばしば報告したし、逆にそれらの他文化圏から西洋に来た観察者は西洋ファッションの見苦しいペースでの変化を西洋文化の不安定さと無秩序さの現れではないかと報告していた。日本の征夷大将軍のは1609年にスペイン人の来訪者に、日本の衣服は1000年以上もの間変化していないと語った[Braudel, 312-3]。しかしながら、例えば中国の明では漢服に頻繁に変化するファッションが存在したとする注目に値する証拠がある[Timothy Brook: "The Confusions of Pleasure: Commerce and Culture in Ming China" (University of California Press 1999); この本は1節全体をファッションに充てている。]。
(古代ローマや中世イスラム帝国などでのように)経済・社会的な変革に伴って装いに変化が起こることはしばしばあるが、その後は長きに亘って大きな変化は起きなかった。例えば、ムーア人時代のスペインでは8世紀に、高名な音楽家。
ヨーロッパでスタイルが連続的・加速度的に変化してゆく慣習が始まったのは14世紀中頃であるとかなりはっきりしており、まであったものが辛うじて尻を覆うだけのものとなり、また同時に胸を大きく見せる詰め物もすることがあった人は幅広い衣服の選択肢を持っている。何を着るかはその人の人柄や好みを反映しうる。文化的なステータスを持つ人々が何か新しい、もしくはそれまでと違った衣服を着はじめた時、ファッションの流行は始まる。そうした人々のことが好きだったり尊敬していたりしている人達が似たスタイルの衣服を着はじめるのである。
1つの社会の中でも、ファッションは時間の経過だけでなく年齢、社会階層、世代、地理条件などによっても大きく変化する。例えば、もし老人が若者のファッションに沿った装いをしたら、その老人は若者から見ても他の老人から見ても滑稽に映るであろう。最新のファッションに盲目的に追随する人は
「ファッショニスタ」(fashionista)もしくはと呼ばれる。
さまざまなファッションを着て見せびらかすという営為の体系は、さまざまなファッション文をファッションの文法を用いて組み合わせるファッション言語とも見做せる(ロラン・バルトの仕事を参照[)])。